アクセントクロスの楽しみ方
アクセントクロス
お洒落なインテリアをかなえるために、家具やグリーンを置くよりも効果絶大、しかもわりとお手軽な方法をご存じでしょうか?
素材や色・デザインの豊富な壁紙からお気に入りを選んでアクセントウォールとして用いると、お部屋の雰囲気はガラリと変わります。
上手に取り入れて、自分好みのおしゃれなインテリアを実現させる方法をご紹介いたします!
アクセントウォールとは?
アクセントウォール、壁の一面だけを違う素材や色でアクセントをつけ、フォーカルポイントをつくる手法です。
大胆な色や柄を取り入れることは なかなか勇気がいるもの。
失敗しそう…飽きたらどうしよう…なんて不安があるかも知れませんが、実は空間にフォーカルポイントをつくると視線の行く先が安定し、落ち着いた雰囲気を作るうえでも効果があります。
しかも、万が一失敗した! なんてことになっても壁紙の貼り替えは比較的安価な方法。
DIYとして楽しまれることも最近では多いようです。
視線の行く先に個性を持たせるこのアクセントウォール、シンプルな手法ですが、お部屋のイメージを効果的に変える奥の手とも言えます。
素材を変えるには価格がつきもの、壁紙の場合上手に選べば予算を変えずに個性的に演出することも可能です。
「遊び心」をお家づくりに取り入れて、空間を楽しんでみてはいかがでしょうか?
今回はアクセントクロスの効果を、一般的なホワイト系のクロス壁とアクセントクロスを貼った部屋の比較、またアクセントクロスの実例からご覧いただきます。
【アクセントクロスの効果 1】おしゃれ感アップ、空間にメリハリを
3 面の壁がホワイト系のリビング
ホワイト系の壁紙クロスとパターン柄のアクセントクロスを組み合わせたリビング
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壁の一面だけ、白っぽくない壁紙クロスやパターン柄の壁紙クロスにするだけで、おしゃれな印象が“ぐん”とアップします。
4面の壁が白っぽく、アイボリーやベージュのソファやラグをコーディネートしたようなインテリアは無難で飽きが来ないのが良いところ。
ですが、目に入るものが全て似ているため、視線の行先が心もとなく、ぼんやりとした印象で、物足りない雰囲気とも言えます。
クロスの種類を変えてアクセントウォールを空間に作ると、壁に飾った絵やディスプレイのようなフォーカルポイント(視線が集まる場所)の役割を果たして自然に視線を集める場所となり、心理的な安定感をもたらすとともにインテリアにメリハリが生まれます。
アクセントクロス仕様の壁は
- アクセントクロスとクッションの色を揃える
- アクセントクロスとカーテンの色を揃える
- アクセントクロスの色と相性の良い色のソファを選ぶ
など、「家具や雑貨などの色使い」を検討する機会を生みだします。
楽しみながらインテリアセンスを磨く暮らしは如何でしょう。
【アクセントクロスの効果 2】広さ感アップ
アクセントクロスの色の選び方によって、狭い部屋を広く見せたり、長細い部屋を正方形に近い印象に変えることができます。
ここでは 「色」の視覚的な効果を少しご紹介いたします。
白い壁紙クロスと寒色のアクセントクロスの部屋の比較 3 面の壁がホワイト系のリビング
寒色のアクセントクロスのリビング
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正面の壁の色が白よりも青の方が、奥行きを感じます。
寒色は、「物を遠くに見せる後退色」です。
白い壁紙クロスと黒っぽいアクセントクロスの部屋の比較 3 面の壁がホワイト系のリビング
黒のアクセントクロスのリビング
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正面の壁の色が白よりも黒の方が、奥行きを感じます。
黒っぽい色は、「物を小さく見せる収縮色」です。
部屋に広がりを出したい時は寒色や黒っぽい色のアクセントクロスがおすすめです。
寝室に、暗い茶系のアクセントクロスをコーディネートした実例。
正面の壁に黒っぽい色を使うことで、ヘッドボード方向への広がりを演出。
合わせて色のもつ重厚なイメージがナチュラルな素材感の中に、ラグジュアリーなイメージもプラスしています。
アクセントクロスが暗い色(黒っぽい色)の場合、家具・ラグ・カーテンなども暗い色で揃えてしまいがち。
ここは、「暗くて重厚感のある空間」にするのか「明るく開放感のある空間」にしたいのか、に応じて相性の良い色調の家具・ラグ・カーテン等の色を決めましょう。
揃えることが必ずしも正解とは限らないのがインテリアの面白いところです。
【アクセントクロスの効果 3】涼しく見せたり暖かく見せたり
「西日が差し込む暑く感じる部屋」や「窓が無く、寒々しさを感じる部屋」ではアクセントクロスの色を効果的に用いるのもおすすめです。
3 面の壁がホワイト系のリビング
アクセントクロスを寒色にすると涼しさがアップ
アクセントクロスを暖色にすると温もりがアップ
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子供部屋の壁に、寒色のアクセントクロスをコーディネートした実例。
キッチンの腰壁に、暖色のアクセントクロスをコーディネートした実例。
同じような間取りの部屋でも、「暖色のアクセントクロスで温もりを出す」か「寒色のアクセントクロスで冷たさを出すか」で、雰囲気は全く変わります。
計画段階が夏の場合は涼しく感じる色、冬は暖かく感じる色を選びやすい傾向にある為、暖色・寒色に偏った色を選ぶ場合は、四季を通じてその空間に与えたい効果は何なのかを見失わないことも大切なポイントです。
【アクセントクロスの効果 4】空間の雰囲気作りに大きな効果
アクセントウォールは、視線を受け止める垂直面に設けるため、シンプルな手法ながらインテリアデザイン上での効果は絶大。
壁を大きなキャンバスに見立て、大胆にアレンジした方が良い場合もあります。
もともとは版画から始まったインテリア素材、少し張り込んで輸入クロスなどでお気に入りを見つけ、壁紙から始まるインテリアを楽しまれることも多いようです。
パターン柄のアクセントクロスを選ぶ時は、空間と柄の大きさのバランスに注意しましょう。
一般的には 大きな柄は部屋を狭く見せ、小さな柄は広く、ボーダーやストライプ柄も同様で、線が太い柄は部屋を狭く見せ、線が細い柄は部屋を広く見せます。
3 面の壁がホワイト系のリビング
幾何学模様のアクセントクロスのリビング
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〈パターン柄〉
- 北欧っぽさを演出する幾何学模様
- エレガントさを出す花やオーナメント柄
- ナチュラルな印象を演出する植物系
- 子どもっぽさを強調するカジュアル柄
など、壁1枚に施すだけで、家具が置いてない状態でも雰囲気を作り出してしまいます。
オープンクローゼットの背面にクレヨンで描いたようなアクセントクロスをコーディネートした実例。
まさに大きなキャンバスですね。
〈 色 〉
壁1枚に有彩色を取り入れることで、
- アクセントクロスとクッション
- アクセントクロスとチェア
のように、色を取り入れる場所の選択肢が増え、センス良く感じるまとまりのあるコーディネートができます。
アクセントクロスとソファの座面を赤色でコーディネートした実例。
ドアもお揃いの赤で、個性的に空間を引き締めています。
【インテリアクロスの効果 5】家具の色やデザインを引き立てる
いざ部屋に置いてみると、実店舗で見た時よりも、こだわりの家具が安っぽく見えてしまう場合があります。
この原因は、
- コーディネートをする時に白っぽい壁に薄い茶色の木製家具
- 白っぽい壁にアイボリーのソファなど、
壁と家具が同化してしまっていることが原因かもしれません。
3 面の壁がホワイト系のリビングに木目のテレビボード
青緑のアクセントクロスを貼ったリビングに木目のテレビボード
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アクセントクロスを貼ることで、メリハリが生まれ、家具の質感やデザインを引き立てる効果も。
灰みがかった青のアクセントクロスと茶色の木目の造作収納をコーディネートした実例。
深海のようなブルーをアクセントクロスにと、
真っ白なTVボードとコーディネートした実例。
真っ白なTVボードとコーディネートした実例。
間接照明の光が青みのグラデーションからの白い家具を爽やかに演出しています。
木目の家具にブルー系のアクセントクロスの組み合わせは寒色(壁)×暖色(家具)の対比により、木のぬくもりがアップして見えます。
また、自然界にある色と同じ組み合わせの「グリーン系のアクセントクロス×木の家具」は季節に関係なく、居心地の良い空間を演出するのでおすすめです。
緑のアクセントクロスとナチュラルな木の組み合わせの実例。
【アクセントクロスの効果 6】リアルな素材感をお手軽に
- ホワイトレンガ調で北欧風に
- コンクリート壁柄でモダンに
- ヴィンテージウッド調でインダストリアルに
など、一歩踏み込んだインテリアコーディネートをする場合、お助けアイテムとして、アクセントクロスが活躍します。
豊富なバリエーションの中から選ぶこだわりクロスは、予算や既設/新設に関係なく求める空間をかなえる便利な方法といえます。
3 面の壁がホワイト系のリビング
レンガ調のアクセントクロス
ホワイトグレーのウッド柄のアクセントクロス
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近頃、壁紙クロスメーカーでもリアルな質感の壁紙クロスが続々と登場しています。
ペイントしたヴィンテージなウッドパネルを模した壁紙クロスをアクセントクロスにした実例。
白いタイルを模した壁紙クロスをアクセントにしたナチュラルなLDKの実例。
まとめ
壁紙のバリエーションは本当に広くて、その機能にも注目してみると暮らしに役立つものがたくさんあります。
とりあえず今回はまずはデザインについてのお話。
空間にスパイスのように用いるアクセントクロスには、「おしゃれ感を演出する」だけでなく、「部屋を広く見せる」、「涼しく(暖かく)見せる」、「家具の質感を良く見せる」など、様々な効果があります。
数年前まで、インテリアの教本では「壁の色は飽きが来ない無難な色を選んでおきましょう」と書いてあるものがほとんどでしたが、最近は、フォーカルポイントの考え方も定着し、アクセントウォールとして、大胆な柄や色を採り入れながら、自分好みの空間を作られる方が増えています。
洗面室やトイレ等短いプライベート時間を過ごす空間では、特に積極的ににアクセントクロスが採用されます。
次回はそういった、より楽しんだ個室空間のアクセントクロスについてご紹介いたします。
上手に取り入れて、すてきなインテリア空間をめざしてみてくださいね。