京都の家
京都市北区
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【設計士からのコメント】
金閣寺の近く、衣笠山を背に建つ家。そういった場所柄、建物がこの土地に馴染み良いものになるようにという想いで計画をスタートしました。
特に、屋根の重なりは、敷地全体に緩やかな傾斜がありそれを素直に反映した結果です。
前の道路から見ると、少しずつ上がっていく屋根が建物にリズムと奥行きを与えています。
各部の納まりをできるだけシンプルに計画し、和風の中にもモダンさが漂う仕掛けを作りました。「軒裏の垂木を見せない」、「軒先を細く」、「内部の床材にオーク(洋材)を用いる」等が一例です。風致地区の指定もあり和風外観が求められましたが、その制約の中で和風に寄り過ぎない印象の家になったと言えます。
もともと苔生した庭がありましたが、今回の計画で使用した、瓦・銅板・左官・石・木といった自然素材が、エイジングを重ね数年、数十年後には庭と一体となった建物に成長していくことを期待しています。
様々な可能性が考えられた計画ですが、「時間」という考えを判断の中心に据えることで形、素材、間取りといった決め事が、自ずと導き出された計画だったように感じています。
設計: 辻健二郎建築設計事務所
【建築DATA】
京都市北区(新築)
建築概要/木造2階建て
敷地面積/669.08㎡
延床面積/299.77㎡
設計監理/辻健二郎建築設計事務所
施 工 /株式会社デザオ建設